糖尿病の治療について

糖尿病だと診断された場合、どのような治療をしていくのでしょうか?ここでは、治療方法や費用について、また病院の選び方や最新の治療方法について触れています。

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治療においての数値目標

糖尿病治療においての数値目

糖尿病の治療などで検査をすると、数週間後に医師から説明を受けると思います。どんな項目の数値をどのようにしたら理想的な状態になるのでしょうか?ここでは、項目ごとに詳しい説明と目安となる数値をお伝えしていきます。

血糖値

テレビ番組などメディアなどでもおなじみの聞き慣れた単語だと思います。一般的にはこれで通じるのですが、残念ながら検査の項目名は違う表記をされています。

HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)が血液検査での血糖値になります。単位は%で、数字が大きいほど血糖値が高いことになります。通常の数値は4.3~5.8程度で収まっています。

一般的に言われる血糖値の数値についてですが、空腹時の状態で100mg/dl~110mg/dl未満が良いとされています。ただし、この範囲は正常値でありながら110mg/dlに数字が近くなるにつれ注意対象にカウントされるようになったそうです。食後2時間後の測定なら140mg/dl未満が正常値です。ブドウ糖負荷試験(OGTT)をすると、より正確な数値が判明します。

フルクトサミン

長年、血糖値の指標には上記のHbA1cが使われていました。HbA1cを調べれば検査した時より1~2ヶ月前の血液状態を知ることができごまかしがきかないので利用されていましたが、調べた直近の内容が分からないという欠点があったのです。

その欠点を補うものとして登場したのがフルクトサミン(FRA)です。同じく血液を採取して、糖とタンパクが結合した糖化タンパクを調べます。正常値は205~280μ mol/lです。糖尿病の患者さんはひとまず320μ mol/l未満にするようにしましょう。この検査では、直近2週間前の血糖平均値がわかります。

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基本は食事療法と運動療法

糖尿病を治療する基本となるのが食事療法と運動療法です。それぞれがどんなことをするのかを詳しく解説していきたいと思います。

食事療法

糖尿病治療の基本は食事療法と運動療法

食べる量と食べ方を見直すことで血糖値をコントロールしていこうという治療法です。ポイントとなるのは

  • バランスの取れた食事にする
  • 野菜を多めに食べる
  • 最初はおかず(副菜)を食べ、それからごはん(主食)を食べるようにする
  • ごはんを制限するよりも、いも類を制限する
  • 油もちゃんと摂る
  • 夕食を食べ過ぎない
  • 一日三食きっちり食べる
  • お菓子は控えめに、または食べない、食べる場合は糖尿病用のものを選ぶ
  • お酒を控える
  • 麺だけの食事は控える
  • よく噛んで時間をかけて食べる

手軽だからとおにぎりだけですとか、麺だけの食事にしていたりしませんか?

ごはんや麺類などの主食の成分は炭水化物です。炭水化物はブドウ糖の元になり、それだけが体に入ると血糖値を急激に上昇させてしまいます。おかずを一緒に食べることで、また主食よりも先に食べることによって消化をゆっくりにすることができ血糖値の急上昇を防いでくれます。

運動療法

運動をすると私たちの体はエネルギーとしてブドウ糖を消費します。糖尿病では血液中に多くの糖が溢れた状態になっているため、運動をすることによって効率よく糖を消費させようと言う治療法です。

運動には、主に瞬発的な無酸素運動と、持続的な有酸素運動の2種類があります。無酸素運動は足だけや腕だけのように体のごく一部のみを動かしますが、有酸素運動は全身をフル活用させるため、運動療法では遅めのジョギング、体操、水泳、サイクリングなどの有酸素運動が推奨されています。

食事をしてから30分~1時間後が血糖値上昇のピークなので、その時間帯を狙って上記の運動をするようにすると血糖コントロールに効果があるとされています。また、体の中にある糖が燃焼されるようになるまでに15分はかかりますので、最低でも15分以上継続して運動するとよいです。

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治療に効果的な食事はどのようなもの?

糖尿病治療に効果的な食事はどのようなもの?

糖尿病を治療していく上で食事はとても重要になってきます。

折角でしたら、普通に食べるだけでなく症状改善に効果的な食事をしたいですよね。ここでは、どのような食事の仕方をすればより効果が高まるのかをご紹介します!

一日三食を摂る

当たり前のようでいて、現代社会ではなかなか実現できていないことではないでしょうか。食事をすると血糖値が上昇するのですが、朝、昼、夜の3回で食事をすると、血糖値の上昇や下降の波がとてもいい状態なのだそうです。また、できるだけ決まった時間に食事するなど規則正しい生活が必要とされます。

自分の必要カロリーを厳守する

食事療法をする際、医師や管理栄養士から一日に必要となるカロリーについての話が必ずされるはずです。糖尿病ではカロリーコントロールがとても重要で、それがきちんとできるかどうかによって症状の改善に大きく関わってきます。

自分に必要なカロリーを超えないように、そして、どこか一食だけで突出してしまわないようにするのがコツです。一日に三回の食事で、できるだけ均一なカロリーを摂るのが理想的です。

よく噛んでゆっくり食べる

糖尿病の患者さんは、早食いの方が多いようです。早食いをすると血糖値が早く上昇するため脳の満腹中枢が働くのが遅くなります。つまり、本当はお腹いっぱいの状態なのに食べれてしまうんです。肥満は糖尿病の、そしてカロリーコントロールの大敵です。一口につき最低でも30回は噛むように心がけて、ゆっくり食べましょう。

バランスよく食べる

これも上で挙げた規則正しくと言うのに含まれるのかもしれません。食事療法を始める時に食品交換表を入手されたと思います。交換表には全部で6つの分類がありますが、それぞれの『表』からまんべんなく食材を使っての食事にすると、自然とバランスのよい食事になります。野菜やきのこ類を多めにし、糖質や余計な脂質は控えるようにしましょう。

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治療に効果的な運動はどのようなもの?

糖尿病治療に効果的な運動はどのようなもの?

糖尿病の患者さんに運動療法が有効だというのは一般的に知られていますよね。でも、どうして糖尿に有効なのか、私はイマイチ結びつきませんでした。

肥満が解消されていくので病気が良くなっていくのだと思っていました。その解釈もあながち間違ってはいないのですが、もっとわかりやすいメカニズムがありました。ちょっと、ご紹介してから本題に入ります。

血糖値が高いということは、血液中に多くのブドウ糖があふれているということです。運動をすると、そうしてあふれているブドウ糖がエネルギーとして消費されていきます。すると血糖値が下がり脂肪も消費されて症状の改善に繋がるというわけなのです。

しかし、運動なら何でも言いというわけではありません。それではお待ちかね、より効果的とされる運動をご紹介いたします!

ポイントは有酸素運動

運動には大きく分けて2種類が存在します。エアロビクスとアネロビクスです。

エアロビクスというとスポーツジムなどで女性がやっているものを想像してしまいますが、ここでいうエアロビクスは有酸素運動のことです。有酸素運動とは、酸素を取り込むことを目的とした全身運動を言います。

無酸素運動が短距離走のような急激な動作なのに対し、有酸素運動は比較的ゆっくりした動作の運動が多く、早足でのウォーキング、遅めのジョギング、水泳、サイクリング、体操などがこれに該当します。

どのくらいやればいいの?

運動がいいんだ、と聞くと倒れるギリギリまでひたすらやろうとする方がいらっしゃいますが、そんなに頑張らなくても大丈夫です。先に挙げた早足でのウォーキングやジョギングなら一日30分程度、水泳なら15分程度で十分です。

ただし、5分やって休憩、しばらくしてからまた5分といった運動の仕方では効果が望めません。運動を始めて15分という時間を境にブドウ糖エネルギー消費から脂肪消費に移行されるので、始めたら継続して一日の分量をこなすことが重要です。

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治療における費用の目安

糖尿病治療における費用の目安

完治することはなく、一度かかったら生涯付き合っていくことになるといわれている糖尿病。そうなると、治療に一体どれだけのお金がかかるのかが気になるところですよね。

ただ、飲み薬と言っても何種類もありますし、病気の進行具合、合併症の有無、インスリンが必要か否かなどの条件によってかかる金額がかなり変わってきます。ここでは、条件ごとにおおよその平均額をご紹介します。(※入院についての費用は後の項目で別途触れますので、ここでは省略します)

通院で食事療法・運動療法のみを受けている場合

この場合は、糖尿病以外で通院時にも必ず算定される再診料、それから糖尿病だと算定される特定疾患療養管理料、生活習慣病指導管理料などが加算されます。採血検査などの検査料も加算されます。大体1ヶ月で3500円~4000円ほどになるかと思います。(自負負担では12000円程度)

通院で飲み薬による治療を受けている場合

この場合は、1で加算されたものにプラスして調剤料や処方箋料、薬剤の料金が発生します。この例は院外処方でのものですので、院内処方の場合は若干変わります。大体ですが1ヶ月にかかる費用は8000円程度になると思います。(自費負担では25000円程度)

通院で飲み薬とインスリン療法を受けている場合

この場合は、2までのものに更にインスリンを打つことで発生する在宅自己注射指導管理料、血糖値の測定を行っている場合は血糖値測定の指導管理加算というものがプラスされます。大体ですが1ヶ月にかかる費用は10000円前後になると思います。(自費負担では40000円弱)

いかがでしょうか?本当に大まかに説明しましたので、窓口で算定されるもの全てはご紹介できていません。金額も必ずしも記載した額に収まるというわけでもありません。あくまでも参考程度の例だということをご承知おきください。

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インスリン療法による糖尿病治療

インスリン療法による糖尿病治療

糖尿病になると血糖値が高くなります。これは、すい臓から分泌されるホルモン(インスリン)の効果が弱くなっていたり、分泌に障害があって起こります。

インスリン療法は、注射で体の外側からインスリンを補い血糖値を下げる治療法です。1型糖尿病の患者さんの場合は、これが必ず必要となります。2型糖尿病の患者さんでも、症状が酷い場合や何らかの理由で薬が飲めない場合、また薬が効きにくい場合や妊娠中などに用いられます。

インスリンの種類

用いられるインスリンには、全部で4種類あります。超速効型、速効型、中間型、持続型(持効型溶解)で、インスリンが血糖値を上昇させるまでの時間で分けられています。ちなみに、超速効型で15分ほど、持続性で3時間ほどと時間にはかなり差があるようです。

注射する場所

皮下組織(脂肪がある場所)に打ちます。注射というとなんとなく筋肉に打っているイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、筋肉ではダメです。打ちやすく吸収が早いことからお腹が好まれます。他には上腕ですとか、お尻(臀部)、太ももなどです。

部位による吸収速度の違い

先ほどチラっと腹部への注射はインスリンの吸収が早いと申しましたが、注射を打つ部位によって吸収速度が異なります。お腹、腕、お尻、太ももの順に吸収速度が速いとされています。また、注射をした後にその場所の筋肉を使うようにすると、より吸収を早めることができます。

注意しなければいけないこと

インスリン療法をする上で必ず覚えておかなければいけないのが、低血糖です。

先にご説明しました通り、インスリンは血糖値を下げる効果があります。しかし、注射によって急に体内に入ると確かに血糖値が下がるのですが、今度は体が血糖値を上げようと働きます。この時に手足の震えや吐き気、酷いと意識を失ってしまうこともあります。

もしインスリン療法中に低血糖の症状が現れたら、清涼飲料水を飲ませると改善します。清涼飲料水やジュースなどに含まれるブドウ糖が血糖を上げてくれるのです。

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最新治療

医学は日々進歩しています。これまでは是とされていた治療法が否とされることもあるのです。今現在、糖尿病ではどんな最新治療があるのかをご紹介していきたいと思います。

新しい食事療法

最新治療

これまで、糖尿病の患者さんへはカロリーを制限する食事療法が有効であるとされ実施されてきました。しかし、最近では少々異なり、おかずなどの副菜は通常と同じものを食べることができる食事療法が提唱されるようになっています。

一体何を制限するのかというと、主食であるご飯やパンのみを制限するのです。

血糖値の高い状態は、ブドウ糖によって起こされます。ですから、その原因となりうる炭水化物(糖質)だけをコントロールすればいいという考えです。以前、これに似たダイエット法で低インシュリンダイエットというのが流行りましたね。

更に、新しい食事療法として挙げられるのが、低GI食品です。GIとはグリセミック指数の略称で、これは血糖値の上がり方を数値化したものです。数字が高いほど血糖値の上がるスピードが速いとされ、上、中、低の3つに分けられます。低GI食品は血糖値の上昇が緩やかな食品で、すい臓でのインスリン分泌が穏やかになり血糖値の急激上昇を抑えてくれます。

血糖値の上昇から下降が緩やかに継続するので空腹を感じにくく、肥満の予防にもなります。低GI食品での食事療法は、2型糖尿病に有効とされます。

インスリンポンプ 

従来、インスリン療法では注射器を用いての注射が用いられてきました。ペン型の注射器導入によって昔よりも随分打ちやすくなったと聞きますが、それでも患者さん自身が毎日自分のお腹などを注射する負担があります。インスリンポンプは超速効型インスリンを注入する小型の装置で、24時間注入し続けることができます。

ちなみに、保険適用可です。

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糖尿病治療を成功させる病院の選び方

糖尿病治療を成功させる病院の選び方

風邪などと違い糖尿病では長期間に渡って病気と付き合っていかなければなりません。当然、その治療にあたる病院、医師などとも長期間関わることになりますので、自分に合った病院を慎重に選ぶ必要が出てきます。

何を重視するかは人それぞれですので、ここで挙げていくのは提案の一つとして参考になさってくださいね。

総合病院?それとも個人開業医?

病院は大きく分けて2つに分かれます。総合病院のような『病院』か、個人開業医のような『クリニック』かです。

病院の利点と欠点

まず、病院の利点と欠点から順番に挙げてみましょう。

総合病院のようにたくさんの診療科目が集まっているので、例えば糖尿病性網膜症を発症していた場合に内科を受診し、そのまま眼科を受診することができます。大規模な検査器具なども所有しているので、各診療科目での検査もスムーズに受けられます。また、入院施設を備えていますので、症状が悪化した場合などは入院できます。

病院の欠点は、受診する人数が多いので待ち時間が非常に長いです。しかし、その割に診察時間は短いです。予約が1ヶ月先など普通にあります。土日祝が休診のところがほとんどなので、平日にお仕事をしていらっしゃる方は通院するのが困難です。

クリニックの利点と欠点

次にクリニック。恐らく、家の近くに1件はあります。予約しないでも受診できますし、診察時間も長めです。急に体調が悪くなっても駆け込むことができます。土日のどちらかだけでも診察しているところが多いので、平日にお仕事をしていらっしゃる方でもお仕事を休ますに通院することができます。

クリニックの欠点は、診療科目が限定されてしまうことです。他の科の受信が必要になった場合、改めて別の病院まで行かなければなりません。入院施設を持たないところがほとんどの為、いざ入院が必要になったら他の病院を紹介してもらわなければなりません。

こんな感じでしょうか。それぞれに長所短所がありますので、一概にこちらがいいとは言えません。糖尿病の専門医に受診しても、家から電車などで2時間かかるほど遠くて通えなくなったりするようでは意味がありません。

継続して通える範囲で糖尿病の専門医がいれば一番良いですが、なかなか都合よくはいかない場合が多いはずです。これらを踏まえた上で近場の名医を探すというのも一つの方法ではないかと思います。

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入院するケースとは?

入院するケースとは?

入院と言われると、「え、そんなにひどいの!?」と思ってしまうかもしれません。しかし、糖尿病に関しては別に症状が酷いから入院するばかりではありません。どういう時に入院での治療が必要となるのかをご紹介したいと思います。

検査入院

外来(通院)ですと、どうしても時間には限りがありますので検査が限られてしまいます。検査入院は、3泊4日入院する時間を使って外来ではできないような一日を通した血糖の変化を調べる検査や、腹部エコー、眼底検査、尿検査、採血検査などを集中的に行います。検査入院と教育入院がセットになる場合もあるようです。

教育入院

生活習慣や食事などを改善してもらうために行います。また、今後の治療方針ですとか、糖尿病というのがどのような病気などを理解してもらい、食事療法や運動療法で自己コントロールできるようにするといった目的もあります。入院期間は2週間を1セットとするようです。

通常の入院

外来(通院)で投薬治療をしているにも関わらず血糖値の改善が見られない患者さんに対して行われます。検査をしに行ったら血糖血が高すぎるといわれて緊急入院する事に!などといったのもこのケースになります。

入院期間は2週間~1ヶ月ほどですが、症状の改善が見られない場合はこれよりも長くなっていきます。入院中は食事療法、運動療法がきっちり行われ投薬も管理されるため、自己コントロールの仕方が自然と身につき、退院後も症状がどんどん良くなる患者さんが多くいます。

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