血糖値が高いとどうなる?症状や原因など

血糖値が高いと様々な恐ろしい病気にかかるリスクが高くなります。血糖値の上昇の原因などを詳しくまとめました。

目次

血糖値が高いとどうなるの?

血糖値が高いと「なぜ」体に良くないのか?

健康診断の結果が通知されると、血糖値が基準値以上だった、なんて会話が周りから聞こえてきますよね?血糖値が高すぎると体に良くない、このことを知っている人は多いでしょう。しかし、血糖値が高いと「なぜ」体に良くないのかを知っていますか?血糖値の値が良くないから節制してね、と医師に言われても、漠然とした血糖値への理解では節制意識は上がりません。そこで、血糖値が上昇しすぎることのリスク、またどういった病気の引き金になるかを具体的に知り、改めて自分の血糖値について考えてみましょう。

血糖値が高い状態が続いた場合の身体の変化

血糖値の基準値は空腹時で110mg/dl未満、食後2時間後で140mg/dl未満とされています。これ以上高いと、高血糖と診断されます。また、食後2時間後で200mg/dlを超えている場合などは糖尿病が強く疑われます。では、血糖値が高い状態が続くと、体内ではどのような変化が起きるのでしょうか?

ソルビトールが悪の根源

普段、血液内を流れている糖はブドウ糖とよばれる物質です。細胞はこのブドウ糖を利用し、活動に必要なエネルギーを得ています。この過程を「代謝」といい、ブドウ糖を違う物質に変化させる際に放出されるエネルギーを細胞は利用しています。この血液内のブドウ糖が増えすぎる、つまり血糖値が高くなると、余ったブドウ糖をなんとか利用しなければならないということで、別の代謝経路が働き出します。この経路で生み出されるのが「ソルビトール」という物質で、これが細胞にとって有害なものになりえるのです。

正常な血糖値でも多少はソルビトールは生産されていますが、すぐに果糖と呼ばれる別の物質に代謝され、事なきをえています。しかし、血糖値が上昇しすぎると、ソルビトールが大量に生産され果糖への代謝が追いつかなくなります。その結果、細胞内にソルビトールが貯まってしまい、細胞を傷つけ始めるのです。

人間の再生機能がマイナスに働く

例えば、これが血管壁で起こると血管壁は傷つき、脆くなってしまいます。人間の体は傷ついた部分を前よりも強く、大きく修復しようとします。次に同じことが起こった際に、今度は負けないようにするためです。余談ですが、筋トレはこの仕組みを利用して筋肉を太くするのです。

ソルビトールによりダメージを負った血管壁でも同様のことが起こります。

修復の結果、血管壁は前よりも厚くなり、強くなります。しかし、血管壁が厚く、強くなることはメリットばかりではありません。むしろデメリットのほうが大きいでしょう。なぜなら、壁が厚くなるということはそれだけ通り道が細くなり、血液が通りにくくなるためです。

動脈硬化のメカニズム

血管はトンネル、血液は車

よく血管はトンネル、血液は車で例えられます。トンネルの外側が厚くなるのならば、通り道の太さには影響はありませんが、今回傷ついた部分は血管壁の内側です。そのため、トンネルの内側が厚くなっていきます。こうなると、車の通り道はどんどん細くなり、最終的には渋滞を起こしてしまうでしょう。これと同じことが血管でも起こるのです。また、隆起した血管壁部分には中性脂肪やコレステロールが付着しやすくなり、どんどん血液の通り道は細くなっていきます。

これがいわゆる「動脈硬化」です。

動脈硬化になると、血液成分がその部分で詰まりやすくなります。また、今までなら問題はなかった小さな血栓も詰まってしまうようになります。また、高血糖の人は血液がドロドロになっているため、より血管が詰まりやすくなっており、血栓もできやすい状態だと言えます。砂糖水を触るとベタベタしますよね?血液も同じ状態になっていると考えれば分かりやすいでしょう。

動脈硬化はさまざまな病気の引き金に

動脈硬化で引き起こされる有名な病気は、脳梗塞、心筋梗塞、壊疽(えそ)などで、いずれも命に関わる重大な病気ばかりです。これらの病気は全て、「血管の詰まり」から引き起こされます。例えば、脳梗塞は脳の血管で動脈硬化が起こった結果、血栓などが詰まってしまい脳の一部分への血液の供給が停止することによって起こります。また、心筋梗塞は心臓の筋肉に血液を供給している、「冠血管」が詰まってしまうことにより引き起こされます。糖尿病患者が壊疽により足を切断しなければならなくなった、という話をよく聞きますがこれも高血糖が原因によるものです。

ソルビトールは神経も傷つける

ソルビトールは血管壁だけではなく、神経も傷つけます。高血糖になるとまず末梢神経、つまり体の末端、足や手の神経が傷ついていきます。その結果、手足の感覚がなくなり、痛みなどの異変に気づきにくくなるため、治療が遅れ、最終的に切断ということになってしまうのですね。また、動脈硬化も壊疽に大きく関わっています。血管は末端になるほど細くなっていきますから、より詰まりやすくなっていきます。つまり、手足の先などはもともと血管が詰まりやすいのです。

その部分で動脈硬化が起きると、さらに血管が詰まりやすくなってしまい、最悪、体の末端部分への血液の供給が止まってしまいます。細胞は血液の供給がストップすると死んでしまい、結果、その部分から壊疽が始まっていきます。この時点で気づいて治療を受ければ大事には至らないのですが、上述したように神経がダメージを受けていると壊疽による痛みなどを知覚できません。そのため、本人や周りの人が壊疽に気づいたときには既に手遅れで、切断以外の選択肢がない、ということになるのです。

このように、高血糖は様々な病気のリスクを上昇させる恐ろしいものです。高血糖の改善は食生活の見直しや定期的な運動など、本人の取り組みで行える部分が大きいので、現在高血糖の人は現状を軽視せずに、医師とも相談し血糖値の低下に取り組んでいきましょう。

血糖値が高い時に見られる症状

血糖値が高いときにはどんな症状が見られるのでしょうか?これが厄介なことに、多少の上昇したぐらいだと主な症状は見られません。そのため、本人が症状に気づいたときには既に手遅れで糖尿病などを発症していた、なんてことも多いのです。

血糖値の高値を見抜くには健康診断がとても重要です。ほとんど全ての会社で1年に1回程度は行っているでしょうから、社会人ならばそういった機会を利用して、最低でも1年に1回は健康診断を受けるようにしましょう。

また、いくら症状が見られにくいといっても、一定の数値からは自覚症状が出てきます。以下の症状に心あたりがある人はすぐに病院に行って検査を受けることをお勧めします。

  • 異常に喉が乾く
  • おしっこの回数、量が増える
  • おしっこが泡立つ
  • 疲れやすい
  • 体重が減ってきた

これらの症状についてさらに詳しく見ていきましょう。

異常に喉が乾く

高血糖、特に糖尿病になると周囲から見ても明らかにおかしいと思えるぐらい水を飲むようになります。場合によっては、特に運動もしていないのに、1日で8L近くの水を飲む患者もいます。この原因は、高血糖状態では血液中のブドウ糖の増加により、血液成分の濃度が上がっているためです。

動物は血液の量が足りないときや、血液が濃縮しすぎたとき、反射的に水を欲するようになっています。運動した後に水が飲みたくなるのもこのためです。汗が出たことによって、血液を作るための水分が少なくなっているのですね。

高血糖の人は慢性的に血液中のブドウ糖の値が高い人が多いので、常に水を飲みたくなり、結果的に異常な量の水を飲んでしまうのです。

おしっこの回数、量が増える

おしっこの回数、量の増加も異常な飲水量からくるものです。単純に水を飲む量が増えたため、おしっこの量も増えるのです。さらにもう一つの理由として、糖尿病になるとおしっこに尿が混じるようになることが挙げられます。おしっこに糖が混じると、おしっこの浸透圧が上昇するため、腎臓で生成されるおしっこの量が増加します。

浸透圧は聞き慣れない言葉でイメージしづらいかもしれませんが、簡単に言うと水を引っ張る力です。様々な成分が入った、浸透圧に差がある液体同士を水のみが通過できる特殊な膜を通して触れさせると、高い浸透圧をもつ液体のほうに低い浸透圧の液体から水が移動します。

この仕組みを利用して、腎臓ではおしっこを作っているのですが、おしっこの浸透圧が上昇した結果、血液からより多くの水分がおしっこ側に移動し、大量のおしっこが作られてしまうのですね。よって、おしっこの量、回数が増加するのです。

おしっこが泡立つ

糖尿病の主な症状として知っている人も多いと思いますが、おしっこが泡立ったからといって必ずしも高血糖や糖尿病であるとは限りません。おしっこが泡立つのにはいろいろな理由があり、中には健康上特に問題がないものもあります。とはいえ、もちろん病気のサインである可能性もありますので、気になる人は医師に相談することをお勧めします。

特に喉が渇くといった上記の症状と合併する場合や、おしっこの泡がきめ細かく、長い間消えずに残るといった場合は体の危険信号であることが多いので、すぐに病院に行くことをお勧めします。

疲れやすい&体重の減少

疲れやすいや体重の減少といった症状は、高血糖で血液がドロドロになっていることが原因で起こります。血液がドロドロになると血流の流れが悪くなり、特に細い血管ではその影響を大きく受けます。

その結果、筋肉や臓器に血液中の栄養を十分に届けることができなくなるのです。こうなると体は血液中の栄養の代わりに筋肉そのものなどを分解し、エネルギー源にしようとします。そして、筋肉などが分解された結果体重が減少し、また、体を動かすのに必要な筋肉が減ってしまうので疲れやすくなる、というわけですね。

このような症状が出ているときの血糖値の値は、300~400mg/dl程度だと考えられています。さらに血糖値が上昇して500mg/dlを超えると、吐き気や嘔吐のほか、昏睡状態に陥ることもあり、緊急治療が必要になります。

血糖値が高い原因とは?

血糖値が高くなる原因には何があるのでしょうか?遺伝的にインスリンの働きが弱く、健康的な生活を送っていても血糖値が高くなってしまう人もいます。しかし、そういった人は少数派で、多くの人が生活習慣の乱れから血糖値の上昇、ひいては糖尿病の発症につながっていくのです。

血糖値に悪い影響を与える生活習慣について、ひとつひとつ見ていきましょう。

  • 炭水化物や甘い食べ物をよく食べる
  • 高カロリーな食べ物が好き
  • 食事の時間が不規則
  • 一回の食事で満腹になるまで食べる

上記に当てはまる人は要注意です。血糖値が上がりやすい食生活を送っていると言えるでしょう。

炭水化物や甘い食べ物、カロリーの高い食べ物の摂り過ぎは血糖値を大きく上げる要素の1つです。また、食事の時間が不規則だと、体の内分泌系が乱れインスリンが正しく分泌されず、食後に血糖値が正常に下がらない可能性があります。

一回の食事で満腹になるまで食べるのもお勧めしません。血糖値が短時間で急激に上がり、過剰な量のインスリンが放出されるからです。このように膵臓を酷使すると、いずれ膵臓が疲弊し、糖尿病を発症するリスクが高くなります。

肥満体型の人も血糖値が高くなりがちです。

皮下脂肪はそれほど影響がないと言われているのですが、内臓脂肪は糖や脂質の代謝に悪影響を与えると考えられています。糖脂質代謝に異常があると、正常なインスリンの分泌量でも血糖値がなかなか下がらない傾向があり、その結果、インスリンの分泌量が徐々に増えていくことで糖尿病につながる恐れがあります。

他にも運動不足、ストレスなども血糖値上昇のリスクファクターです。運動不足だと全身の筋肉量が減少し、基礎代謝が低下するため、ブドウ糖の代謝が鈍くなります。

また、動物はストレスを受けると、交感神経が活発化します。しかし、インスリンの分泌が増加するのは副交感神経が活発化しているときなので、ストレスを受けている状態ではインスリンが正常に分泌されません。そのため、常にストレスに晒されている人はインスリンの正常な分泌が阻害され、血糖値が上昇する傾向にあると言えるでしょう。

血糖値が高い状態が続くと、糖尿病になるリスクが飛躍的に上昇します。理由としては、上述したようにインスリンの分泌源である膵臓が疲弊してしまう、または過剰なインスリンの分泌が続いたことにより、体にインスリンへの耐性ができてしまい、インスリンが効かなくなってしまうなどが挙げられます。

また現代の医学では糖尿病を完治させることはできません。この恐ろしい病気を発症しないためにも、食生活、生活習慣を見直すことはとても重要だと言えるでしょう。

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