基礎知識

どのような病気でもそうですが、病気を患ってしまったら知識を深めることは大切なことです。病院の先生によっては「あまり知識ばかり増やしてしまうと頭でっかちになってしまうから」と、患者の情報収集を積極的に進めない先生もいますが、知らないうちに大変な事になっていたとしても誰のせいにも出来ません。自分や自分の周りの人を助けるためにも、最低限の知識は身につけておくべきです。ということで、このページでは糖尿病の基本的なことをまとめてみました。

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糖尿病の原因について

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よく、甘いものをたくさん食べると糖尿病になると言われていますけど、実際はそんなことありません。同じように、たくさん食べ過ぎると……といいうのも聞きますが、これも半分間違いです。

継続してたくさん食べて肥満になってしまうと糖尿病になってしまう可能性があるので、これに関しては完全な間違いとも言えません。では、どんな原因で糖尿病になるのでしょうか?

一つは遺伝子だと言われています。

遺伝子と言われると生まれつきインスリンが少ない1型糖尿病だけに当てはまる印象を持たれるかもしれませんが、意外なことに1型糖尿病の患者さんの家族歴(ここでは一緒に暮らす家族の病歴を指します)はないことがほとんどです。

遺伝は、どちらかというと2型糖尿病の方が多く見受けられます。その他にもウイルス、住んでいる国や地域などが原因になると言われています。

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糖尿病は合併症が怖い!三大合併症の解説

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糖尿病になると様々な合併症を引き起こします。特に

  • 糖尿病性神経障害
  • 糖尿病性網膜症
  • 糖尿病性腎症

これらは糖尿病の患者さんが発症する率が高い合併症で、三大合併症と呼ばれています。

糖尿病性神経障害(とうにょうびょうせいせいしんしょうがい)

この合併症は、3つの中では早期に発症することが多いです。高血糖状態で血流が悪くなると末梢神経まで酸素や栄養が届かなくなり、神経に障害が起こるようになります。

よく顕れるのが足先の末梢神経で、足先のしびれやピリピリ・チクチクした痛みといった形で発症します。神経には『感覚神経』、『自律神経』、『運動神経』がありますが、そのうちのどれが障害を受けているのかによって発症する症状が異なるようです。

糖尿病性網膜症(とうにょうびょうせいもうまくしょう)

目にはとても細かい血管が集まっていますが、高血糖で血液がドロドロになってしまうと血の流れが悪くなり、細い血管が詰まってしまったりコブができたりしてしまいます。やがて血管が裂けて出血するようになり、それが網膜に溜まってものが見えにくくなったり、目の前に小さな虫が飛んでいるような黒い点が見えるようになります。

網膜周辺の血管で血流が悪くなると酸素や栄養分をしっかりと送れなくなるので、新生血管という通常では存在しない血管を新たに作ってしまいます。血管が増えるくらいなら大丈夫なんて思わないでください。この血管はもろいので、ほんの僅かな衝撃ですぐに破れてしまうのです。そこが出血し、塞がれてまた破れて出血するうちに作られた新しい網膜が従来の網膜を引っ張り引き剥がしてしまう網膜剥離の原因になります。

剥離がひどくなると失明する恐れもあるという危険な症状です。

糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)

腎臓には、血液をろ過して老廃物を排出させたり、逆に体から出ていきそうになっている栄養分を再吸収したりするという大切な役割があります。ところが、血液中の糖が多い状態が続くと腎臓の糸球体(しきゅうたい)の機能を低下させていきます。糸球体は、身近なものに例えるとザルのようなものです。

今までは細かく詰まったザルによって要るものと要らないものを分けてこれたのですが、機能が低下したことによって網目がゆるーく解けてしまいます。本来なら体に残らなければいけないものまで尿に排出されてしまうのが糖尿病性腎症です。

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足に症状が出る糖尿病の合併症とは?

足に症状が出る糖尿病の合併症とは?

糖尿病には実に数多くの合併症がありますが、足に症状が出るのはどんな合併症なのでしょうか?ここでは、症状が出る場所を【足】に限定してご紹介していきたいと思います。

  • 糖尿病性神経障害
    • 足のしびれ、ピリピリ・チクチクした痛み
    • こむら返り
    • 気づかないうちの足の怪我
  • 糖尿病足病変
    • 白癬菌症(はくせんきんしょう)
    • 胼胝(たこ・べんち)
    • 潰瘍
    • 壊疽(えそ)
  • 糖尿病性リポイド類壊死症(類脂肪性仮性壊死症)

細かく分類するともっとあるかもしれません。見ただけではわかりにくいものが多いですので、一つ一つ解説していきます。

糖尿病性神経障害について

糖尿病3大合併症の一つです。糖尿病になると血液中のブドウ糖が多くなり血液がドロドロの状態になります。そうすると血流が悪くなってしまい、指先など体のすみずみまで上手く栄養が運ばれなくなります。

体の末梢神経は栄養不足の状態となり、正常に機能しなくなってしまいます。すると、足の感覚が鈍くなったり、ピリピリ・チクチクした痛みを感じるようになるのです。感覚が鈍ったりしびれているので足の怪我をしやすくなります。

糖尿病足病変について

糖尿病性神経障害によって感覚が鈍くなった・または感覚が無くなった状態で足に怪我をしてしまうなどして傷を付け、そこからばい菌が入って起こります。患者さんの足は感覚が感じられないので痛みを感じておらず、怪我をしても無自覚なことがほとんどです。

また、糖尿病の患者さんは通常よりも抵抗力がなくなっているので、感染症に掛かりやすい状態になっています。

小さな傷に気づかず化膿し、ご本人やご家族、あるいは医師が気づいた時には潰瘍になってしまったり壊死し切断するしか手立てがなくなっているというケースは多いです。

糖尿病性リポイド類壊死症(類脂肪性仮性壊死症)について

リポイドというのは、体内にある脂肪によく似た物質のことです。足の脛(すね)に橙色の斑点ができます。放っておくと腫瘍になってしまう場合もあるようです。

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糖尿病の早期治療は、完治も見込め、生涯医療費を大きく削減できます

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一度発症してしまうと現在の医学では完治しないといわれる糖尿病。

どんな病気にも言えることですが、特に糖尿病では早期の発見が重要です。しかし、病気にかかった初期にはほとんど自覚症状が無いので、普段からの体調の変化などで見つけることはとても難しいとされています。では、どうすれば早期に発見し治療に取り掛かることができるのでしょうか?

答えは、定期的な健康診断にあります。

「定期的な・・・・・・」なんて表現ですと、どれくらいの周期で受ければいいのか困ってしまいますよね。大まかにですが、最低でも一年に一回は健康診断を受けるようにすると発見されることができるようになるようです。

といいますのも、糖尿病だと完全に診断される前に、数年間の『病気準備期間』があることが分かってきました。毎年定期的に健康診断を受けると、この準備期間のうちに糖尿病を発見することができるというわけです。

糖尿病の発見だけに重点を置くのなら、人間ドックに入る必要はありません。

早期発見のために必要なのはHbA1cの数値で『高血糖になっているかどうか』ですので、一般的な健康診断をお願いすれば大丈夫でしょう。ただし、会社などで行う場合などで採血検査を含まない健康診断もあります。受診前に確認しておきましょう。

早期発見できず発症してしまった場合、治療にかなりの医療費を必要とします。しかも、症状が進んだり合併症が出てしまった場合は投薬の種類も増え、2型糖尿病でもインスリンの接種が必要になり、そのうち入院しなければいけなくなり・・・・・・と医療費の負担は増えていくばかりです。それを、生涯ずっと続けていくのは非常に大変なことではないでしょうか?

もし余裕があるのなら半年に一度、少なくとも一年にたった一度の健康診断を受けるだけで後にかかる体への負担と高額な医療費を軽減できるのです。また今度でいいや、なんて今まで健康診断を後回しにしてきてしまった方は、この機会に一度受けてみてはいかがでしょうか?

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1型(i型)糖尿病とは何ですか?

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1型糖尿病は『インスリン依存型』、『若年型』とも呼ばれており、子供にも発症します。先天的に(生まれつき)インスリンが足りなくて血液中のブドウ糖が多くなり発症。

2型糖尿病と決定的に異なるのは、糖尿病の飲み薬が効かないことです。

その為、必ず注射でのインスリン投与が必要となります。1型糖尿病の中でも2つのタイプがあり、自分の免疫作用によってすい臓の細胞を破壊してしまう自己抗体があるものを自己免疫性の1A型、ないものを突発性の1B型と区別します。

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2型(ii型)糖尿病とは何ですか?

2型糖尿病とは、すい臓のランゲルハンス島にあるベータ細胞からインスリンの分泌が少なくなっていたり、分泌はされてもインスリンの働きが悪くて効果的に細胞に取り込まれなくなってしまい起こる病気で、非インスリン依存型です。

主に成人になってから発症するので『成人型』とも呼ばれています。

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肥満、運動不足、食生活の乱れ、ストレスなどの生活習慣によって引き起こされると言われています。特に肥満ではベータ細胞の中に中性脂肪を蓄えさせてしまい、インスリンの分泌を阻害してしまいます。

この中性脂肪というのは、例えるならエネルギー貯蔵庫です。私達が活動するエネルギーは主に糖質なのですが、これが足りなかった時や運動量が多かった時などに予備エネルギーとして使用されたりします。ありすぎるのは勿論よくありませんが、全くの悪者でゼロにしなければいけないものではありません。

ちょっと脱線しましたが、肥満によって内臓脂肪がたくさん増えてしまうと、インスリンを活性化させるアディポネクチンという成分が減り、インスリンの元気がなくなります。そうなってしまうとブドウ糖をうまく処理できなくなり、結果として2型糖尿病になってしまうというわけです。ちなみに、国内で発症が確認されている糖尿病の95%は2型糖尿病です。

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糖尿病の型(1型と2型)の違いについて

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糖尿病は大きく分けて2種類に分類されます。一つは1型糖尿病、もう一つは2型糖尿病と呼ばれます。1型糖尿病は遺伝子が要因となり幼い頃(0~4歳くらい)に発症することが多いようです。

本来なら自分の体を守ってくれる免疫が、インスリンを作るすい臓のランゲルハンス島にあるベータ細胞を誤って破壊してしまい死滅させてしまうという免疫性の病気です。

必ずインスリンの注射が必要となるので、インスリン依存型という呼ばれ方をしていました。今ではこの呼び方はあまり使われないようです。

2型糖尿病は生活習慣が要因となり主に成人に発症します。

こちらはすい臓で作られるインスリンがしっかり分泌されなかったり、分泌されたインスリンが十分に働かなくなってしまうのが2型糖尿病です。それぞれの詳細については、後述しますので参考になさってくださいね。

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糖尿病の専門医と普通の内科の違い

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糖尿病の専門医って言われても、どこが普通と違うのかよくわかりませんよね。ここでは、何が違うのかを簡単にご説明してみたいと思います。

糖尿病の専門医というのは、日本糖尿病学会で試験を受けて合格した医師に与えられる資格です。なんとなく病院そのものに与えられた資格っぽいイメージがあるかもしれませんが、これは病院ではなくて医師に与えられた資格なんです。

普通の内科との違いは、更に専門的な資格を取得しているかいないかの違いなんですね。

こちらで全国の糖尿病専門医を検索することができます。
http://www.jds.or.jp/

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糖尿病患者を看護する為の心構えや準備

もしあなたのご家族が糖尿病の患者さんになった時、どう向き合っていけばいいのでしょう?

糖尿病は完治はしない病気と言われています。けれど、回復しない病気というわけではありません。私の知り合いはお世辞にも症状が軽かったと言えませんでしたが、今では糖尿病の通院はしていませんし、毎日毎食後に打っていたインスリンも投薬も必要なくなっています。

患者さん本人もそうですが、患者さんを支えるご家族も病気に対して諦めないことが重要ではないかと思います。暗く気負っても、あんまりいいことはないです。

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また、ご家庭によっては実践が難しいかもしれませんが、カロリー制限の食事療法が始まったら、できるだけご家族の方も同じものを食べるようにすると、長続きするようです。患者さん一人だけ別メニューを食べると、どうしてもみんなが食べている通常食に目がいってしまって自分だけ食べられないストレスが溜まってしまいます。

一緒に席に着いた隣の人だけに美味しそうなものが出されたら、「いいなー、自分も食べたいなぁっ」てなるでしょう?そうすると、空腹でのイライラもあって隠れてお菓子やカップラーメンを食べてしまったり……なんてことになります。

入院して食事療法を受けている最中の患者さんでも、消灯後に何か食べているのを見つかるなんていう話はよく耳にします。それではせっかくの食事療法が台無しですよね。

ご家族の方が同じメニューを食べていると、「みんなも我慢している」という抑止力が強く働いて隠れ食いを防いでくれます。私が知る患者さんは、これを実践して食事療法を3年続けることに成功していました。

病気に立ち向かうのは患者さん一人ではありません。ご家族の方の助力なくしては、成り立たないものだと思います。

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糖尿病の治療薬 – 併用可否や分類一覧

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糖尿病の治療には、どんな薬が使われるのでしょうか?ここでは経口血糖降下薬について触れていきます。経口血糖降下薬なんて難しい言葉を使いましたが、要は飲み薬のことです。

 

チアゾリジン薬(TZD薬)

チアリゾジン誘導体と表記されていることもあります。肝臓で糖を新しく作るのを抑制し、筋肉や細胞から糖を使わせることによって血糖を下げるお薬です。2型糖尿病の患者さんはインスリンの働きが弱くなっています。これをインスリン抵抗性というのですが、チアゾリジン薬はこれを改善するインスリン抵抗性改善薬です。

  • アクトス など

ビグアナイド薬

これも肝臓で糖を新しく作るのを抑制するインスリン抵抗性改善薬です。食欲を抑制する作用があるそうです。

  • メトグルコ
  • メタクト など

スルホニル尿素薬(SU薬)

インスリンを作るβ細胞に働きかけてインスリンの分泌を促すお薬です。糖尿病の薬では、最もよく使用されているのがスルホニル尿素薬です。

  • アマリール
  • ダオニール
  • オイグルコン
  • グリミクロン など

速効型インスリン分泌促進薬

お薬の作用はスルホニル尿素薬と同じですが、こちらの方が短時間で効果が出ます。効果を十分に発揮させるために、このお薬は食直前(食事10分前)に飲みます。

  • スターシス
  • グルファスト
  • シュアポスト など

DPP4阻害薬

腸から分泌されるDPP-4というホルモンを阻害するというお薬です。DPP-4を阻害することによってインクレチンというホルモンが分解されにくくなり、インスリン分泌が促進されます。従来のお薬よりも低血糖を起こしにくいとされています。

  • エクア
  • ネシーナ
  • トラゼンタ
  • ジャヌビア など

アルファーグルコシダーゼ阻害薬

食事して体内に入った糖は、そのままでは吸収されません。体に吸収される形に分解するための酵素がアルファーグルコシダーゼです。これを阻害することにより糖の吸収を抑制するお薬です。スルホニル尿素薬(SU薬)との併用で低血糖を起こしやすくなります。

  • グルコバイ
  • ベイスン など

SGLT2阻害薬

私たちの体は通常、尿に糖が出ることはありません。尿細管で99%もの糖が吸収され、それに深く関わるのがSGLT2です。SGLTとは、Sodium-glucose transporterの略で、ナトリウム・グルコース共役輸送体という訳で、SGLT2を阻害して糖を吸収させないようにしてしまおう、というお薬です。これは、まだ新しいお薬(2012年に発表されたばかり)です。

糖尿病の薬を飲む時に注意したいのが、グレープフルーツジュースです。お薬の血中濃度を上げて副作用を出やすくしたり、薬の効きを悪くしたりしてしまいます。また、お茶などのカフェインを含むものや牛乳、お酒で飲むのもやめましょう。

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糖尿病予備軍の食事改善ポイント

糖尿病には完全になっていなくても、日本には予備軍が700万人弱もいるのです。(平成9年厚生労働省調べ)

そんな状態をそのまま放っておけば遠くないうちに糖尿病が発症してしまいますが、予備軍のうちに食生活を改善していけば血糖値を抑えることもできるのです。ここでは何をどのように改善していけばいいかについて触れたいと思います。

早食いはダメ

早食いはダメ

現代社会は忙しい方が多く、食事にゆっくりと時間をかけていられない場合が多いように見受けられます。会社勤めのサラリーマンの方、子育て中の主婦の方などですと、確かにゆっくりなんて食べていられない状況なのは十分に理解しています。

しかし、早食いをすると一気に流し込まれた食べ物によって急激に血糖値が上昇し、それを処理するためにすい臓から大量のインスリンが急激に分泌されます。

これがすい臓の負担となり、やがてインスリンの分泌が少なくなったり効果が弱くなる原因になってしまうのです。

子供の頃、「よく噛んで食べなさい」と言われた経験は多くの方がお持ちだと思いますが、それは健康の為に理に叶ったことだったんですね。

野菜を多く

野菜を多く

最近の日本は食生活が欧米化しています。肉食ですね。既にご存知の方も多いと思いますが、糖尿病の改善食として和食が見直されています。ごはんで炭水化物、焼き魚で脂質を摂ることができるように、糖尿病予防にはうってつけです。また、肉よりも野菜を多く取るようにすると消化が穏やかになり血糖値の急上昇を防ぐ効果が期待できます。

三食きっちり食べる

三食きっちり食べる

時間がないからと朝ごはんを食べない方は多く、かくいう私もそんな一人です。ですが、糖尿病予備軍の改善の早道は、毎日ちゃんと三度の食事をとることだと言われています。食事から食事までの時間が長く空いてしまうと、その分だけ急激に血糖値が上がりやすくなり、これもすい臓の負担へと繋がっていきます。

どうしても食べる時間がない場合は、せめて雑穀パンなどを食べるようにしましょう。食べるのも無理なら、牛乳を飲むのも効果的です。一日三回の食事をすることは大切ですが、一日のカロリー量を大幅に超えるような摂り方の三食では状態をさらに悪化させてしまいますので、そこは要注意です。

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糖尿病患者の妊娠について

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適齢期の女性は特に気になるのではないでしょうか?ここでは現在糖尿病の方でも妊娠して良いのかどうかについてお話します。

一つだけ確実に言えることは、病気の状態によって答えが変わってくるということです。

そもそも、どうして糖尿病の患者さんが妊娠することに難色を示されていたかというと、妊娠初期に母体の血糖値が高いと胎児の血糖値まで高くなってしまい、それが臓器などの発達の妨げとなって奇形児や巨大児となってしまうからなんです。

他にも、妊娠中毒症、膀胱炎、腎盂炎、羊水過多症の発症の可能性が高くなるほか、流産や早産、死産になってしまう可能性が通常の妊娠に比べて高くなります。ですので、今現在治療中で血糖値の高い状態が続いている方に関しては、もう少し病状が安定するまで待った方がいいのかもしれません。

現在治療中でも、病状が安定し血糖値が上手くコントロールできている状態の方なら妊娠されてもいいのではないかと思います。参考までに、妊娠前のHbA1cが4.3~5.8%程度、最低でも7.0%未満になるまでは避妊をしておいた方が良いようです。

ただし、これは血糖値だけのお話です。

合併症がある方は、例え症状が安定していたとしても注意が必要です。腎症や網膜症がある場合は、妊娠によってこの症状が急に悪化する可能性があります。特に、腎症で検査するたびにいつもたんぱく尿が出ている方は、胎児にも合併症が出てしまいますので妊娠は避けておいたほうが良さそうです。

妊娠をしたいことを主治医にきちんと伝え、それに向かって治療し、妊娠に至る。そういった計画的な妊娠が、糖尿病の患者さんには求められているように思います。

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糖尿病と妊娠糖尿病は別物です

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妊娠をすると、胎盤から血糖値を上げやすくするヒト胎盤ラクトーゲホルモン(インスリン拮抗ホルモン)などが生み出されてインスリンの効果が出にくくなり(これをインスリン抵抗性といいます)、血液中のブドウ糖が多くなります。

正常な場合はインスリンの効果が出にくくなる時期に普段より多くのインスリンを出すように脳がすい臓に命令するのですが、それができない妊婦さんの場合に血糖値が上昇します。それまで異常がなくて妊娠中になって糖尿だと診断される、これが妊娠糖尿病です。

ちなみに、妊娠中に『本当の糖尿病』が見つかる場合もありますが、それと妊娠糖尿病ではなくて、糖尿病です。微妙なニュアンスの違いなので、ちょっと分かりにくいですね。

治療法はほとんど糖尿病と同じなのですが、経口投薬治療は行いません。メインとなるのは食事療法で、あとは軽い運動療法。それらで改善しない場合にはインスリン療法が行われます。

妊娠糖尿病になった方の半数ほどは出産後に元通りになりますが、残りの半数ほどは出産後もそのまま糖尿病になってしまうようです。その分かれ目となるのが、いかに妊娠中に血糖コントロールをしたかなのです。というのも、妊娠糖尿病になった方は既に遺伝体質などをお持ちで、将来的に糖尿病にかかる可能性が高い方なのです。

お腹の中の赤ちゃんが気づかせてくれたこの病気、このきっかけで生活習慣を見直し、しっかりと食事療法などで血糖コントロールをして改善させて、元気な赤ちゃんを出産したいですね。

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